今回は、ビッグデータ解析によるネット炎上対応や内部脅威検知を展開しているサイバーセキュリティ銘柄でもある株式会社エルテスについて解説をしていきます。
株式会社エルテス(3967)の事業全体像
株式会社エルテスは、デジタルにおけるリスク対策を行う企業です。デジタルリスク対策を行うために解決をするソリューションを多岐にわたり提供しています。事業としては主に2つに分かれています。
デジタルリスク事業
デジタルリスク事業は、「ソーシャルリスクマネジメント」と「インターナルリスクマネジメント」と2つあります。「ソーシャルリスクマネジメント」は、インターネット上で行われているSNSやブログ、掲示板などに起こるリスクに関するソーシャルリスクサービスです。
主に24時間365日体制でモニタリングするリスクモニタリングや検索エンジン上でのマイナスになる部分を解消するレピュテーションマネジメントなどがあります。
導入実績は大手の導入もあり約400社以上あります。サービスの提供としては1,000社以上あるようです。
「インターナルリスクマネジメント」企業内のロゴデータ等多種多様なデータを統合的分析する内部脅威検知サービスを展開しています。
内部脅威検知サービスはログデータから「ヒト」の行動を解析し、組織内に潜むリスクを検知し情報漏えいや不正行為などを防いでいきます。
内部脅威検知サービスは新型コロナウィルスの影響で働き方改革が進み大手や中小企業からの需要が拡大しています。金融犯罪対策としてビッグデータ解析から可視化するツールも提供しています。
MIHALU(小売店向け不正検知)というPOSレジ・在庫・売価変更などのデータを活用し、店舗での逸失利益を検知サービスも展開。
その他事業
その他事業は、リスク情報分析と危機支援を行うAIセキュリティ事業と周辺ソリューションを展開しています。事業としては開発段階となるのでまだまだこれからの事業のようです。
エルテスは現時点のポジションからマイナンバーに紐づくセキュリティ対策や犯罪のデジタル化に対するリスク対策のサービスに新規事業ドメインを行っていくようです。デジタル化の進展に合わせてより専門的に事業を行っていく様子です。
業績について
決算発表の資料から見ていきます。
主力のリスクモニタリング事業はコロナ禍で契約数・顧客数が期初想定より減少傾向にあります。AIセキュリティ子会社も事業進捗に遅れている状態。
さらに先行して投資をしていくフェースで、コロナ禍収束後に備え開発費、宣伝費を上積み、営業赤字となってます。
継続率の高いソーシャルリスクモニタリングサービスへ順調に移行。
<株価>
コロナショックによる下落とさらに業績赤字による株価下落が続いております。上場時初値、公募価格の363.7%という伸びが話題となりました。市場の期待は一度落ちていますが今後伸びるのではないでしょうか?
3C分析について
今回は3C分析を使ってエルテス社を見ていきます。
Customer(市場・顧客)
インターネット広告費は引き続き二桁成長でテレビメディアを上回って首位となってます。さらに5Gとなり通信環境がガラッとかわります。引き続き市場は成長をしていくでしょう。セキュリティ分野の需要も拡大していくと思われます。
各分野での成長規模です。
Competitor(競合)
同じようにデジタルリスク対策を行う「イー・ガーディアン」「ホットリンク」社が主な競合に入ってきます。
イー・ガーディアンは炎上対策のリーディングカンパニーと言われていて、
同社の基本は専門のオペレーターによる有人監視サービスをしています。
イー・ガーディアン社と比較すると大きな差別化がない為、今後の事業ドメインを移すうえでのはポイントとなってくるのではないでしょうか。
ホットリンク社は、ソーシャルモニタリングツール「e-mining(イーマイニング)」を提供・運用しています。
Company(自社)
エルテス社の強みとしては、データの収集・分析・活用の部分でしょう。
データ収集は24時間稼働やRPAを活用し形態問わずに収集をしています。また分析も自動判定やAI専門スタッフによる分析
形態素解析や画像解析による機械学習・データマイニングも行っています。最終的にリスク対策を行っていくコンサルティングやスコアリングも行っています。
まとめ
スマートフォンの普及によりインターネット上でのリスク対策は必須なものとなってきています。
消費者がSNSや検索をする限り、風評被害などが収まることはないでしょう。
新型コロナウィルスの影響で不満をネット上にぶつけている方も大勢います。そうなった場合のデジタルリスク対策の需要はとてもあると思います。現時点で同社も新型コロナウィルスの影響を受けていますが、今後の市場としてはまだまだ伸びていく分野では
ないでしょうか?