個人投資家の中には、「兼業で投資をしていたが、実は会社としてやってまして…」と、会社を設立し、法人として投資をしている方がいます。いわゆる資産管理会社というものですね。
個人投資家が法人化するにはやはり何かしらのメリットがあるからです。今回は個人投資家が法人化する目安についてみていきます。
法人化は誰でも簡単にできる?!
実は法人を作ることはそんなに難しくありません。起業すること自体は難しくないのです。昔は資本金が数百万円程度必要でしたが、今は資本金はほとんど必要なく印紙等の契約手続きで約20万~約30万程度かかるぐらいで設立ができてしまいます。
法人化するには最低限の書類が必要になってきます。法人登記するのに必要な書類は以下です。
■登記申請書
■ 定款
■ 発起人の同意書代表取締役を選定したことを証する書面
■ 代表取締役、取締役、監査役の就任承諾書
■ 代表取締役の印鑑証明書
■ 取締役、監査役の本人確認証明書
■ 設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその附属書類
■ 払込みを証する書面
■ 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
■ 委任状
■ 印鑑届出書
など全12種類の書類が必要になってきます。名称だけみると難しそうですが、本やインターネットで調べてみるとそこまで難しくありません。
ではなぜそもそも個人投資家が法人化するのでしょうか?
法人のメリット
節税効果
まず個人投資家さんが法人化する目的は節税効果だったりします。
事業として投資をしているので必要なら色々と経費として落とすことができます。
例えば、500万の損失がでてしまった場合、7年以内に600万利益出したら500万円は相殺して残りの100万円にだけ、税金がかかってくるようになります。
損益通算・繰り越しができる
法人として投資をした場合、会社の利益は全て同じ利益として扱われるため、例えば不動産投資やFXの売買益などの損益通算ができるようになります。
また、法人としての投資損益は最大9年間の損益通算が認められています。単年度で考えるよりも中長期的に考えて投資をするのであればとても有効に使えることができます。
税率が下げられる
法人を設立すると、利益を経費で調整できるようになるので、利益にかかる税率をさげることができます。
個人と法人それぞれで取引ができる
株主優待やIPOの申込などをそれぞれの口座から行うことにより、利益を得ることができます。
株主優待については、例えば100株以上の保有で優待を貰える企業に投資をしていたとすると、200株を保有しても二つの優待はもらえません。しかし、個人と法人それぞれの口座で100株ずつ保有することで、それぞれ優待をもらうことが可能です。
また、同様にそれぞれの口座でIPO銘柄の応募をすることができるので、当選確率をあげることができます。
では反面、どのようなデメリットがあるかを見ていきましょう。