今回は磁性技術を強みとしている日本を代表とする電子部品メーカーのTDK株式会社(6762)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。
TDK株式会社(6762)の事業全体
TDK社は創業80年で、電子部品の製造開発をしている企業です。電子部品とは普段利用しているスマートフォンやパソコン等に使用されている部品になります。例えばTDKの電子部品はスマートフォンには約300部品あると言われています。また海外展開もしていて社員の9割が海外と言われています。
電子部品の中でも大きく5つに分かれています。
受動部品
受動部品とは主にスマートフォン・自動車など様々な機能を実現するために必要な電子部品となっています。主に自動車メーカーや通信機器メーカー、家電メーカーさんなどが顧客となっています。売り上げの7割がこちらの受動部品となっているようです。
センサ応用製品
主にセンサー部品となります。自動運転の VR/ARのキーデバイス。移動体の進行方向や傾きを検知するための部品などになります。
エナジー応用製品
エナジー応用製品は、主に電池部分の部品となります。スマートフォンに利用され、小型であり薄型化となっています。
磁気応用製品
磁性技術はTDKの強みの1つです。HDD用に記録メディアに必要な部品です。
と様々な電子部品を製造しています。PCの需要が減少してもスマートフォンの需要拡大が増えたりなど電子部品の需要が減ることはないでしょう。5Gや電気自動車(EV)へも電子部品が必要になってきます。
業績について
今回はTDK社の2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。
売り上げ・営業利益に関してですが、やや右肩下がりのようになっています。
ただ今期四半期はやや伸びています。
受動部品は車載向けのものが伸び利益が積み重なっています。
前年比と比べるとエナジー応用製品の伸びがあります。 スマホやタブレット用が上振れ しています。センサー部分は先行投資がありやや赤字となっています。
配当も継続して行っています。業績好調の為、今期の年間配当を従来計画の160円→180円に変更しています。
<株価>
株価は一時コロナショックで8,000円を割り込む展開でしたが、上方修正もあり、現在は2倍以上の伸びとなっています。5Gや電気自動車(EV)への期待で電子部品業界への買いが集まっています。
3C分析
今回はTDK社を3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
電子部品業界の市場規模は非常に大きく2020年で12兆4,175億円となっています。スマートフォンのデバイスも5Gに変わり需要が拡大し、さらにIoT等のデバイスそして電気自動車(EV)への市場拡大など電子部品は今後も伸びます。次世代通信需要拡大に電子部品業界には追い風となっています。
Competitor(競合)
競合は京セラ・村田製作所・日本電産・リコー・太陽誘電・アルプス電気などになります。電子部品業界の中で時価総額は7位となっていまが、売り上げ規模は京セラ・日本電産・村田製作所・TDKと4番目となっています。
Company(自社)
TDK社の強みの1つは磁性材料のパイオニアという点です。金属でもないのに磁石にくっつく不思議なセラミックスを利用してモノづくりをしています。この技術は省電力化に不可欠です。部品だけではなく素材からもモノづくりができます。海外生産・海外販売が8割以上も特徴的です。研究開発の拠点も海外においています。生産設備を自社で備えているので品質やコスト・納期などの競争優位を生み出すことができてます。
まとめ
電子業界はスマートフォンやPCなどで大きく市場を伸ばしてきましたが、まだまだ今後5Gや電気自動車(EV)などで市場は伸びさらに競争が激しくなってきます。海外拠点が多い分研究開発など製造スピードも速いでしょう。今後のシェアをどのくらい伸ばせるのか期待していきたいところです。