今回は電子部品を製造開発し、特に今注目の電気自動車(EV)関連銘柄としても話題となっているニチコン株式会社(6996)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。
ニチコン株式会社(6996)の事業全体像
ニチコン社は、バッテリーに使われる「アルミ電解コンデンサ」と呼ばれる、電気を蓄えたり放出したりする装置を製造販売しています。この 「アルミ電解コンデンサ」 は主に電気自動車や家庭用蓄電システムなどに利用されています。日本国内だけではなく海外でもアルミ電解コンデンサで高い世界シェアを持っています。
上記は電子部品の一部です。この小さい部品が電気自動車や家庭用蓄電システムなど電気を蓄えるために欠かせないものとなっています。コア事業としては、「アルミ電解コンデンサ」「フィルムコンデンサ」「回路製品」となっています。事業としてはコンデンサ事業とNECST(回路製品)事業となっています。
コンデンサ事業
コンデンサ事業では電気自動車(EV)や5Gに利用されている基地局用のものなどを製造して今後力をいれていくようです。
新商品では車載の・エンジン部分の製品が多くあります。
NECST(回路製品)事業
NECST(回路製品)事業では環境面部分に貢献した製品があります。家庭用蓄電システムや再生可能エネルギーの技術を活用したシステムです。家庭用蓄電システムに関しては、京セラと国内における独占売買契約を締結していて、「ホーム・パワー・ステーション」という商品を市場導入し、家庭向けの蓄電システムメーカーとして累計販売台数No.1を記録しています。
生産工場は日本ではなく中国で稼働しています。EV市場が拡大しているので需要拡大に対応しています。電気自動車(EV)にはEV用の急速充電器が必要となります。充電のインフラ設備に必要となってきます。
業績について
今回はニチコン社を2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。
第2四半期は前年比売り上げ・経常利益など全てマイナスとなっています。 研究開発費や償却費が増え営業減益となっています。
ちなみに売り上げ構成比は電力・産機が約3割を占めています。自動車関連は2割程度になっています。今後電気自動車(EV)の需要拡大があるので売り上げの構成が変わってくる可能性はあるでしょう。
ちなみに地域別でみるとアジアが約4割となっています。前年比よりややアジアでの売り上げを伸ばしています。国内の販売先は、三菱電機や日立製作所がメインとなっているようです。
それぞれの製品別です。全体的に前年比と変わらない状態です。
配当金は継続して実施しています。自己資本比率が56.6%となっていて健全な経営とされています。安定的な配当増加をすることができています。
<株価>
株価はコロナショックで一時600円を割り込む展開でしたが、電気自動車(EV)関連銘柄として再注目されると急上昇。株価は2倍以上つける形となっています。
3C分析
今回はニチコン社を3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
まず家庭用蓄電システムの市場についてですが、
市場規模としては2025年までに25万邸あると予測されています。市場としては拡大しているようです。EV市場規模は世界で考えるととても大きい市場となっています。 2035年には2兆1014億円と予測されています。ただその分競合との厳しいシェア争いがあります。
Competitor(競合)
国内の競合は、日本ケミコン・太陽誘電・村田製作所などが競合になっています。 アルミ電解コンデンサが主力事業として似ているのは日本ケミコンです。ただ売り上げ構成としてはニチコン社の方が回路部品や機器などモジュール製品でばらけています。日本ケミコンは中国での売り上げを伸ばしています。
Company(自社)
成長著しい4つの市場 「エネルギー・環境・医療機器」 「自動車・車両関連機器」 「白物家電・産業用インバータ機器」 「情報通信機器」 へ注目し製品開発をしているのが特徴的です。コア事業であるアルミ電解コンデンサ/フィルムコンデンサ/回路製品で成長をめざすことができます。ニチコン社の蓄電池は寿命が長いとされています。
まとめ
現在「電気・電池」が注目されています。今後多く電子部品も変わってくるでしょう。自動車業界が今大きく変わってきています。電気自動車(EV)の普及により蓄電システムの需要拡大は必須になってきます。市場規模と共に成長することを期待したい企業です。