今回は日本発のサイバーセキュリティソフトを販売、さらにリサーチなどのサービス提供をしてセキュリティ解析・開発には多数の実績がある株式会社FFRIセキュリティ(3692)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。
株式会社FFRIセキュリティ(3692)の事業全体像
FFRIセキュリティ社は設立2007年でまだまだ若い会社です。インターネットのセキュリティ対策の製品開発販売を中心に事業を展開しています。ネット上で多い標的型攻撃のセキュリティ対策に特化しています。主に製品としては「yarai」というセキュリティ製品と標的型攻撃マルウェア検査サービス、IoTデバイス・システム セキュリティ対策支援サービスなどを行っています。
「yarai」
yaraiは、パターンファイルに依存しない「先読み防御」技術を徹底的に追及した次世代エンドポイントセキュリティ製品となっています。ネット上のサイバー攻撃(標的型攻撃のトリガーとなる未知の脆弱性攻撃や、未知のマルウェア攻撃 )を保護してくれます。
導入事例では、大手企業から中小企業まで様々です。官公庁など自治体への導入されているのも特徴的です。
検知型なのでマルウェア活動前に防御することができます。その為、感染の可能性は極めて少なく、早急な対応は必要としません。 常に監視することが不要となりリソース削減にもつながります。
今までのセキュリティの課題は入り口対策が多かったですが、最近はその既存セキュリティ対策を簡単にすり抜けてしまうことがあるのが現状。それを解決できるのがyaraiという商品です。
業績について
今回はFFRIセキュリティ社の2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。
前年比と比較するとやや売り上げが減少、営業利益も減少していますが、移転や採用コストが重なり想定内の数値。
売り上げ種類は大きく自治体・民間・小規模となっています。今期大きなクライアントの受注があったようです。ただ売り上げとしてはプライベートセクターが収益の柱となっています。
yaraiの契約数も微増しています。全体的には官公庁などの自治体が約4割程度を占めています。その次に金融サービスがライセンス数としては多いようです。
<株価>
FFRIセキュリティ社の株価ですがコロナ前からやや下落傾向でコロナショックが下値でした。そこからやや右肩上がりで上昇をしています。コロナ禍でリモートワークが増えたことによりセキュリティ対策の需要が拡大していることが影響しているのではないでしょうか?
3C分析
今回はFFRIセキュリティ社を3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
サイバーセキュリティ市場は変化していっています。サイバー攻撃のやり方が変わってきているからです。今までは個人での攻撃が多かったものの最近は組織的な攻撃が多くなってきているようです。
セキュリティ製品が増えて各企業はどれを選べばいいのかわからない状態がつづいています。その為中小企業はサイバーセキュリティ対策が必要と考えていても導入できていないようです。まだまだ未開拓地の市場があります。また総務省主導による情報セキュリティ政策改定もあり国としてサイバーセキュリティは必要な分野となってきています。
Competitor(競合)
競合としては、ソリトンシステムズ・インフォセックなどになってきます。ソリトンシステムズは製品数が多いのが特徴的です。インフィセックはサイバーセキュリティソリューションとして設計が強かったりします。
Company(自社)
FFRI社が民間だけではなく官公庁向けにも導入されている点は強いでしょう。FFRI社も目指すべき姿としては、民間企業だけではなく国家から個人まですべて課題を解決するソリューションを提供することです。 FFRIの強みとしては、技術力がある専門チームで研究開発をしている部分です。独立系だからこそできるスピードも武器だと思います。
まとめ
サイバーセキュリティ分野は今後も大きく拡大していくでしょう。一度製品を導入すれば別のもにに切り替えるということもすぐにはないでしょう。国家に導入されている実績があるので信頼性がある企業だと思います。