今回は2018年に上場し公募価格の約4倍まで伸ばして話題となったロボットアウトソーシング事業などを行っているRPAホールディングス株式会社(6572)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。
RPAホールディングス株式会社(6572)の事業全体像
RPAホールディングス社は、5つの連結子会社があります。 ロボットアウトソーシング事業を行う「RPAテクノロジーズ株式会社」 「RPAエンジニアリング株式会社」 アドネットワーク事業を行う「株式会社セグメント」他、「リーグル株式会社」「オープンアソシエイツ株式会社」となっています。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれる領域でサービスを展開をしています。その中でもロボットアウトソーシング事業、ロボットトランスフォーメーション事業が2本柱となっています。
ロボットアウトソーシング事業
ロボットアウトソーシング事業では、金融、製造など幅広い業界の企業に、主力製品である「BizRobo!」等のRPAソリューションを提供しています。国内RPA分野のリーディングカンパニーとして認知されていて国内実績No1 のRPAサービスです。 人間が行うExcelやインターネットネット検索、システム運用などの定型作業をPC内のロボットが代行してくれます。業務効率化目的で導入する企業が多いようです。
元々は海外ツールだったものを日本版にアレンジしているようでニーズに合わせたカスタマイズを行うことができるようです。
最初は大手生保への導入をきっかけに販路を拡大していたようです。
ロボットトランスフォーメーション事業
ロボットトランスフォーメーション事業では、元々アドネットワーク事業として展開していた事業で広告領域におけるデジタルレイバーサービスを展開しています。
既存であるアフィリエイトのビジネスモデルであるエージェンシー部分をロボット化して効率化を図るものです。エージェンシーと呼ばれる部分は広告の管理や月のレポート作成などが事務的で大変のようですが、そこをRPAによる自動管理や集計を行い効率化を図るのが目的です。
自社のツールを保有することで様々な企業と協業し非効率である産業の効率化を図っていくことが事業目的としています。
RaaS事業
RaaS事業では、大企業向け人事クラウド・BPOサービスを提供するラクラス株式会社と業務締結をし 「RoboRobo」というサービスを開発販売しています。あらゆるシステムやクラウドサービスをつなぎ作業を自動化するサービスです。
また最近は株式会社SBI証券の監修のもと、上場企業および上場準備企業におけるコンプライアンスチェック業務を最大98%効率化する「RoboRoboコンプライアンスチェック」を開発し、販売もしています。
RoboRobo以外にも「事務ロボ」ロボサービスを展開しています。業界別に共通業務に特化してロボを販売しています。
業績について
今回はRPAソリューションの2021年2月期第3四半期決算から見ていきます。
売り上げ状態は通期別でみると右肩上がりに上昇しています。
営業利益は2019年で一時伸びています。RaaS事業への投資選考の影響で2020年以降は下げています。
ロボットトランスフォーメーション事業は増収していて、金融向け等が伸びているようです。
ロボットアウトソーシング事業の「BizRobo!」導入数は伸びています。導入数は1500社以上まで伸びています。
ここ最近調子がいいのはロボットトランスフォーメーション事業です。売り上げも前年比32%となっています。
コロナ禍により人材関連の売り上げが減少していますが、その分金融分野がやや伸びているようです。
RaaS事業はまだ無料導入段階で収益化段階ではないようです。少しつづ有料への転換も増えてきたようです。
<株価>
RPAホールディングス社の株価は一時3,000円前後をまで上昇していましたがそこから右肩下がりが続いています。注目されているRPA分野ではありますが期待値はまだそこまで高くないようです。
3C分析
今回はPRAホールディングスを3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
国内のRPA市場では20年度ではRPAツール製品は61億6000万円、RPA関連サービスが470億円とされています。ややRPA市場は大手の導入が落ち着きやや伸びが鈍っているようです。ただまだ成長分野であり、テレワークが普及した今再度注目されているようです。23年度のRPA市場規模は事業者売上高ベースで868億円、そのうちRPAツール製品は108億円、RPA関連サービスが760億円と予想されています。
Competitor(競合)
比較される企業ではグループウェアを運営するサイボウズ株式会社や営業支援システム(SFA)の「eセールスマネージャー」やクラウドサービスを展開するコムチェア株式会社が競合になってくるのではないでしょうか。他、RPA分野としては日本電信電話社の完全子会社エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ、米国企業の日本法人である UiPath(ユー アイパス)が挙げられています。
Company(自社)
RPA社のポジショニングは以下にように考えていてビズロボでは現場のためのテクノロジーとして難しい知識が必要ない状態で利用できるという部分です。
低価格から利用でき、さらにRPAホールディングスには、RPA・AIのノウハウがありエンジニア力とソリューション力が強みであるようです。
まとめ
RPA市場はまだまだ浸透はしていない印象があります。名前を聞いたことあるが実際に企業に導入され浸透していくのにはまだ時間がかかるかもしれません。少しづつ実績も増えてきているのでここからではないでしょうか。