日本で大手鉄道の1つである「TOBU」。今回はその東武鉄道株式会社(9001)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。
東武鉄道株式会社(9001)の事業全体像
東武鉄道社は1895年に創立された国内大手鉄道の1つで、それ以外に交通・流通・住宅・レジャーなどの関連会社からなっています。子会社数は80社あります。
鉄道事業
鉄道事業は 浅草、池袋を起点に北関東を地盤として路線網を広げています。関東地方が中心で、東京都・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県の1都4県を営業エリアとなっています。関東地方の私鉄のなかではもっとも営業範囲が広いのが特徴です。
ただ鉄道事業は厳しく事業構造改革を行っています。
他にバスによる輸送も行っています。
レジャー事業
東武鉄道グループのレジャー事業は 東武興業、東武トップツアーズ、東武ホテルマネジメント等で構成され、旅行、ホテル、遊園地・テーマパーク、スキー、ゴルフ、スポーツクラブ、ロープウェイ、遊覧船等の各事業を行っています。東武動物公園や東武ワールドスクウェアなども手掛けています。他ショッピングセンターも運営をしています。
東京スカイツリー
東京スカイツリーは 東武鉄道社及び東武グループのシンボル的存在になっています。観光施設や商業施設、オフィスビルなどが併設されています。
さらに東京スカイツリータウンの基盤強化に取り組んでいます。
コロナ禍で観光客が少なくなりダメージを受けましたが、地元顧客に視点を変えてプロモーションを行っていました。観光客が戻れば売上も上積みが考えられます。
不動産事業
不動産事業では 東武不動産、東武タウンソラマチ等で構成され、不動産仲介、建物・施設管理事業等を営んでいます。 ソラマチの商業施設の運営や収益力強化を行っています。
他にも新築賃貸マンションアイルなどブランド化し運営をしています。
グループ全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した取り組み強化を行っています。
業績について
今回は東武鉄道社の2020年決算説明資料から一部見ていきます。
各セグメント別です。鉄道事業はコロナ禍で人の動きが制限されていることから大きくマイナスとなっています。アフターコロナで回復を狙います。
東武鉄道社だけではないですが、リモートワークが普及したことにより定期券の購入者が減ってきています。
レジャー事業ですが、こちらもコロナ禍でダメージを受けています。
不動産事業は他に比べると前年比から減っているものの安定しています。
百貨店は大きくマイナスとなています。こちらもコロナ禍で大きくダメージをうけています。 全体的にスカイツリー、ホテル、百貨店も赤字縮小しながらも、なんとか営業黒字化を果たしています。
<株価>
※2021年7月時点
東武鉄道社の買うかはコロナ前までに一時4000円以上値をつけていましたが、そこから右肩下がりとなっています。
3C分析
今回は東武鉄道社を3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
鉄道業界の市場規模は旅客数によって大きく左右されます。2019年の鉄道旅客数は251億9,000万人となっています。 私鉄の旅客数は前年度比0.2%減少の156億8,700万人となっています。この中で大手鉄道は利用者をとりあっています。コロナ前までは訪日外国人が増えて利用が伸びていました。アフターコロナがいつ頃くるのか。
Competitor(競合)
大手鉄道は他にJRグループ・東京メトロ・小田急鉄道 ・近鉄グループなどがあります。どの企業も鉄道以外に不動産・レジャーと同じように運営をしています。人口減少が見える国内よりも海外輸出などで稼いでいます。
Company(自社)
東武鉄道社の強みの1つは鉄道としての関東では最大の規模があることでしょう。 浅草〜東京スカイツリータウンエリアの一体化を行うことで観光エリアとしても開発を積極的に進めているところです。保有の有名観光地があるのは大きいでしょう。
まとめ
人口減少の日本をどこの分野でカバーをしていくのかが鉄道業界の1つの課題になっているかと思います。日本のインフラとして期待したいです。他MaaS分野も話題となっているのでどのように収益を上げていけるかもポイントでしょう。