2020年に、菅義偉元首相が「2050年カーボンニュートラル宣言」を発した以降、脱炭素関連に注目が集まっています。日本に限らず、世界中で脱炭素の取組みが進められており、脱炭素銘柄の株価も好調です。今回は脱炭素関連銘柄の本命をいくつかご紹介します!
脱炭素関連銘柄 本命4選!
今回は独断と偏見で国内の脱炭素関連銘柄をいくつかピックアップしていきます!
ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社(4169)
ENECHANGE(エネチェンジ)社は、電力・ガスのメニュー比較サイト「エネチェンジ」を運営している企業です。電力・ガスの比較サイトでは、日本最大手です。その他にも、電力会社やガス会社向けのシステム開発なども請け負っています。
脱炭素化という面では、グリーン電力証書オンライン発行プラットフォーム「Green Cart」の運営や電気自動車の充電インフラサービスなど、電力全般に関わるサービスを添加しています。
ビジネスモデルとしてもプラットフォームビジネスが多く、競争が発生しにくい事業展開というのもgoodです。
<株価>
今年の8月頃から株価は右肩上がりと絶好調です。今から買うのは難しいので、押し目を狙っていきたいですね。
イーレックス株式会社(9517)
イーレックスは、主にバイオマス発電所の開発・運営をしている企業です。バイオマスとは、生物由来の有機性資源のうち、石油や石炭などの化石資源を除いたものを意味し、具体的には木材・生ゴミ・糞尿などです。
この中で木材というのは、木の生成過程でCO2を吸収しているとされているので、木材を燃やしてもCO2はトータルでニュートラルという位置づけになることから、国としても積極的に推進しています。
そういう意味で脱炭素化のトレンドに乗っている企業ということになります。
<株価>
今年の株価を見ると、7月以降大きく上昇するも8月には下落するなど上昇トレンドではあるものの、ボラティリティが高い動きになっています。とはいえ、株価水準は高くはないのでまだ投資しやすい水準と言えるでしょう。
株式会社レノバ(9519)
レノバは再生可能エネルギーの電源開発を進めている会社です。イーレックスはバイオマスが主でしたが、レノバは太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力など再エネ全般に広く投資しています。
また、再エネの中でも発電容量が桁違いに大きい洋上風力発電所の開発も進めており、将来的に大きな利益が見込まれます。
<株価>
株価を見ると、着実な右肩上がりを見せています。時価総額は3,682億円とかなり大きな企業価値となっています。参考に、大手電力会社の時価総額を見てみると、東北電力(約3,900億円)と中国電力(約3,800億円)と同程度の時価総額となっています。
株式会社グリムス(3150)
グリムスは、電子ブレーカーやLED販売などエネルギーコストを削減する事業や、太陽光発電システムの販売、電力小売事業と電力に広く関わる事業を展開しています。
イーレックスやレノバとは違い、再生可能エネルギー電源の開発という供給側の事業はしていないものの、省エネや自宅の太陽光発電システム、蓄電池の導入など、主にユーザー側の事業を展開している企業です。
<株価>
株価を見ると、8月から大きく上昇しています。時価総額は718億円ですが、株価収益率は62倍とやや割高水準となっています。
割高水準とはいえ、太陽光発電や蓄電池の普及は今後更に進むと見られているので有望な投資銘柄と言えるでしょう。
株式会社エプコ(2311)
エプコ社は、電気設備や省エネ設備の設計等のデザインテック事業や太陽光発電システム等のシステム開発事業を主に展開しています。
最近では、東京電力エナジーパートナー社と合弁会社を作り、初期費用ゼロで太陽光発電や蓄電池を導入する事業を展開しています。
この会社もグリムスと同様に需要家、ユーザー側の事業に主軸を置いています。
<株価>
株価を見ると、想定した計画通りにいっていないこともあり、右肩下がりを続けています。時価総額は79億円、株価収益率は20倍と割安水準です。
右肩下がりではありますが、成長領域で事業展開をしているので今後の動向は要チェックです。
脱炭素市場の成長性について
全世界のCO2排出力が増加を続ける中、それに歯止めをかけるために脱炭素に関する取り組みは世界中で進められています。
その中で、新たな基幹産業として見られるのが環境産業です。環境省の予測では、2050年の環境産業の市場規模は約130兆円規模にまで成長するとされています。
このうち最も構成比が大きいのは地球温暖化対策(62兆6342億円)の46.9%。地球温暖化対策分野の内訳を見ると「自動車の低燃費化」(24兆7932億円)が最大規模で、次いで「省エネルギー建築」(19兆2069億円)、「クリーンエネルギー利用」(10兆5245億円)、「省エネルギー輸送機関・輸送サービス」(5兆4677億円)などが続きます。
まとめ
脱炭素化と言っても、再生可能エネルギーの開発や省エネサービスなど取り組みは多岐に渡ります。いずれにしても将来的に大きな市場規模が見込まれる産業なのは間違いないので、今後も要チェックです。