基礎知識

配当はいつ決まるのか?配当の基礎知識も合わせて紹介

株は値上がり益を期待して買うことが多いと思いますが、配当が貰えるのも株の特徴です。

でも、配当はいつ決まるのか、いつまで保有したらよいのか分からない方も多いと思います。

そこで、この記事では株の配当についての基礎知識や、いつまで保有したら配当がもらえるのか、配当が支払われる時期や支払方法などについて解説していきます。

そもそも株における配当とは

株式における配当とは、株式を発行している企業が株主に還元されるお金のことを指します。

元々、株式の配当というのは出資してくれた株主に対して企業が出す特別ボーナスのようなものです。

逆に、配当金が貰えるかもしれないとの期待から、多くの投資家は出資して株を買ってくれます。

なので、配当は、たくさんの人から多くの資金を調達する手段として大切な要素なのです。

どうして上場企業は配当するのか

先ほどは、出資してもらった株主への配当について説明しましたが、上場企業の株は平日に取引所にて売買できます。

となれば、出資してもらった株主以外の人が株主になるのは当然ですよね?

それでもなぜ、上場企業は配当を出すのでしょうか。

その理由は、以下の2つの理由に集約されます。

・株式の保有が安定するので買収リスクや株主総会での反乱が起きにくい

・新たな資金調達がしやすい

配当は株式を持っているだけで貰えるお金です。

持っているだけでお金が貰えるので、投資家としては嬉しいですよね。

となれば、配当してくれる株式を手放しづらくなります。

そうなれば株価の急落もつながりにくいですし、売られた株を買い占められて買収を仕掛けられたり、株主総会で経営陣の変更など会社にとってのリスクを避けることができます。

また、配当実績のある企業なら、新規に資金調達する際にも株を買ってくれる人が多いはずです。

そうなれば、新たな資金調達をして事業を拡大するのが容易なのです。

また、毎年配当をしていたり、増配をし続けている企業というのは収益を出している企業が多いので、投資家からの信頼も厚く人気も出ます。

まさにいいことづくめなのです。

配当は必ずあるのか

配当は必ずあるわけではありません。

株主への配当は、経費でもありませんので、成長にお金を回したい企業は配当を行いませんし、業績が悪化している場合なども内部留保金が減ってしまうので、配当されないことが多いです。

ただし、配当とは必ず対象となる1年間の業績で利益が出なければ支払われないわけではありません。

今まで会社に残しているお金(内部留保金)から崩して支払うこともできるからです。

実際、トヨタは赤字の時でも株主のために内部留保金から配当を出していました。

赤字でも株主還元を重視するのなら、配当される場合があるのです。

配当はいつまで保有するともらえるのか

取引所で売買される上場企業の株式は、ころころ株主が変わる可能性がありますし、出資していない株主も配当を受け取ることができます。

では、配当対象となる株主であることはいつ決まるのでしょうか?

現在のルールでは、配当の権利がある権利確定日の2営業日前に株式を保有している人が配当の対象となります。

この権利確定日の2営業日前のことを権利最終日と呼びます。

権利最終日の時点で、株主の人であれば株主名簿に登録され配当が支払われるようになります。

また、権利最終日の翌営業日は権利落ち日と呼びます。

この日に株式を保有していても配当はもらえません。

また、権利最終日に株式を保有し、権利落ち日に株式を売却しても、配当はもらえます。

このような性質から、権利落ち日は株式が売られやすいので、株価が下がる傾向が強いです。

配当の権利日

3月29日(木) 権利確定日の2営業日前 権利最終日 この日に株を保有していないとダメ!(2170)

3月30日(金) 権利確定日の1営業日  権利落ち日

3月31日(月) 権利確定日

配当はいつ支払われるのか

配当が支払われる時期は以下の種類に分けられます。

  • 期末配当
  • 中間配当
  • 四半期配当

期末配当は、決算期間の最後の月に支払われるもので、中間配当は決算期間の中間で支払われる配当を意味します。

一般的な配当は、期末配当の1回のみの場合か、期末配当と中間配当の年2回を実施する企業が多いです。

また、それ以外にも四半期ごとに配当が出る四半期配当を実施している企業もあります。

2021年に四半期配当実施した国内上場企業一覧

リンクアンドモチベーション(2170)

ホギメディカル(3593)

コムチュア(3844)

構造計画研究所(4748)

スミダコーポレーション(6817)

GMOフィナンシャルホールディングス(7177)

日本創発グループ(7814)

あおぞら銀行(8304)

光通信(9435)

GMOインターネット(9449)

参照:SBIサイトの四季報より抜粋

ただし、配当が株主の手に渡るのは、権利最終日から2ヶ月~3か月後です。

権利最終日から2ヶ月~3か月後に業務報告の書類も届きます。

配当金が支払われる方法

株主への配当金の支払いは以下の4種類の方法で実施されます。

  • 株式数比例配分方式
  • 登録配当金受領口座方式
  • 配当金受領証方式
  • 配当金受領証方式

株式数比例配分方式

複数の証券会社で保有している場合、その株式数に応じてそれぞれの証券口座に入金されます。

NISA口座で非課税を適用させる場合、必ず株式数比例配分方式で受け取ります。

登録配当金受領口座方式

指定した融機関の銀行口座の中に保有するすべての株式の配当を振り込んでもらう方式です。

まとめて口座に入金される方式です。

配当金受領証方式

郵便局で換金してもらえる配当金受領書を郵送してもらう方式です。

郵便局で現金をもらえるので嬉しい反面、期限が切れてしまうともらえないことがあるので注意です。

個別銘柄指定方式

個別の銘柄ごとに指定した金融機関に振り込んでもらう方式です。

株式ごとに金融機関を変えることもできます。

最後に

以上、配当金の基本的な知識やいつまで保有したら配当を受けられるのか、配当の支払われる時期や配当の支払い方法について紹介しました。

株式で資産運用を考える際には、値上がり益を狙うだけでなく配当を軸に考えた投資戦略も大切です。

配当の知識をきちんと身に付けて、より良い資産構築を目指しましょう。