私が株式投資を行う時は、企業の業績だけなく株主構成もチェックしています。具体的にどのようなポイントをチェックしていけばいいのか解説していきます。
経営者が大株主か
これが一番重要なポイントですが、経営者が大株主である企業は成長する可能性が高いです。
なぜなら、企業の成長が自らの収益に直結するからです。
大量の株を保有していれば、企業が成長して株価が上昇することで大きな利益が享受できます。そういう状況であれば、真剣に会社の経営に向き合う可能性が非常に高くなります。
そういう意味では、創業者がまだ大株主である企業というのは有望です。自らが会社を作ったので愛着もあるでしょうし、もっと大きくさせたいという情熱もかなりあるはずです。
一方で、サラリーマン経営者の企業は成長しにくいと言われます。なぜなら彼らは持株会などで多少なり株式は保有してはいますが、せいぜい数百万円程度であり、役員報酬の方が割合としては大きい傾向があります。
ですから、自らの役職にしがみついたり社内政治にかまけたりという保身に走る行動をとりがちで、結果として企業の成長というのが蔑ろになる可能性が高いのです。
勿論、サラリーマン経営者であっても、企業の成長にコミットした素晴らしい経営者の方もいらっしゃいます。あくまで傾向として頭に入れておきましょう。
売り抜けしそうな大株主がいないか
いくら企業が成長していても、株価は需給で決まります。
当たり前の話ですが、売る人が多いほど株価は下がってしまいます。
空売りしている場合は問題ないのですが、基本的に株式投資は長期保有で利益を得るものなので、できる限り株価が上がるような企業に投資するべきです。
そのため、そのような投資家がいる企業を避けることが重要になります。
売り抜けしそうな投資家と言ってもなかなかイメージしにくいかもしれません。代表例でいえば、ベンチャーキャピタルが挙げられます。
ベンチャーキャピタルとは、成長しそうな未上場企業に投資をして利益を得る投資家です。彼らの主な出口は投資した企業が上場するタイミングでの売却です。なので、上場時もしくは上場して半年当たりのタイミングで持ち分を市場売却することから、大きな下落が生じる可能性があります。
具体例として、モダリス社の株主欄を見てみると、「●●投資事業組合」という株主が複数いることがわかります。これらがベンチャーキャピタルとなります。
ですので、有望企業が見つかった場合であっても、そのような投資家が売却して株価が下がった後に購入することをおススメします。
外国人投資家の存在
意外かもしれませんが結構重要なのが、外国人投資家・機関投資家の存在です。彼らは投資家の資金を集めて有望な企業に投資をしますが、運用資金が巨額の為、時価総額が小さな企業には投資できません。
そのため、彼らが投資できないサイズの企業に投資をすることが利益に繋がります。
どういうことかというと、彼らの投入資金は大きいので数百億円レベルの時価総額の企業であれば一気に株価が数倍に跳ね上がってしまいます。
そのあとに投資をしたとしても、アップサイドは限られますので、できる限り彼らが投資していない企業、できれば小さな時価総額のうちに投資をしていくことが、成功のために重要な要素になります。
最後に
企業の業績が投資をする上で最も重要なのは間違いありませんが、株主構成というのも負けず劣らず重要な要素です。
なんとなくトレンドで投資するのではなく、四季報で情報を把握した上で企業を決め、腰を据えて保有することが長期的な利益に繋がります。